宇部興産道路

山口県宇部市から美祢市までの28.27㎞の日本一長い私有の高速道路。

正式名称は、宇部興産 宇部・美祢高速道路という。

1982年に興産大橋開通により全線が開通。それから10年ほどたったころだろうか、山口フジカラーに所用で出張した際、エージェントの宇部支店長をしていた知人に久しぶりにあい、乗用車で案内をしていただいたのが初めてであった。乗用車とすれちがう100トン超のトリプルトレーラーには驚かされた。

その後、地元にある山口フジカラーの人たちでさえ知らないこの宇部興産道路をどうしても撮影したいとの要望をして、再度、レンタカーで走った。もちろん、私有の高速道路であるから、それなりの手続きをしたが、そのときに、併せて、毎年開催している得意先のカメラ店との旅行の候補地に長州路を選び、宇部空港から秋吉台秋芳洞まで、通常では1時間超かかる時間を20分程度で行けるし、是非、通行許可を・・との依頼を併せてした。本番は、観光バスのドライバーも初めて通る道路ということで、楽しみにしていたようだし、ガイドは、案内どころか、トリプルトレーラーとすれ違うときには、歓声をあげたりで大騒ぎの車中となったのを思い出す。

それから約10年後、今から5年ほど前、気のあった元同僚たち何人かで、毎年、撮影の旅をしていたが、その候補地が長州路となり、宇部興産に通行許可申請を依頼したら、審査が厳しくなっていて、経済視察団以外の通行許可は不可能との返事がエージェントの知人からきた。それから、2週間ほどして、経済視察団としての申請書をだすので、団長ということで書類の作成依頼がきて、なんとか、通行許可をいただけた。

車は先方の車両が先導し、その後についていくことが原則とのことで、経済視察団ということでもあり、20分超で秋芳洞には行けず、2時間近くの時間を要したが、親切丁寧な工場見学のご案内をいただいた上に、折角だからといわれて、石灰石鉱山の採掘現場も撮影場所として良いのでは・・とのご提案を受け、ご案内頂いた方のご配慮で、採掘現場をみれたのはラッキーでした。

この宇部興産道路は、宇部市小串の宇部興産宇部セメント工場から美祢市伊佐町の宇部興産伊佐セメント工場までを結び、伊佐石灰石鉱山で採掘した石灰石と、伊佐セメント工場でつくったセメントの半製品(クリンカー)を専用トレーラーで運搬しているとのこと。

もちろん、この道路は私道であり、道路通行を事業としていないため、道路交通法などの各種法律の適用を受けないので、専用道路向けの専用仕様となりナンバープレートの取得も必要ないとのこと。

当初は40トントレーラー一両での運航であったが、全線開通とともに、運搬の効率化を狙い、3両連結のトリプルトレーラーが導入されたが、トラクター一両での牽引力に課題があり、現在は75トンのダブルトレーラーとなっているとのこと。

ダブルトレーラーは、一時公道を走行することが研究されたとのことですが、許可は得られなかったということで、海外では、公道を走っているけれど、国内では、ここでしか見れないということです。

ちなみに、当初は、国産の三菱製が中心であったが、代替え時に安価な外国車製に切り替えていったこともあり、現在では、三菱製のほかに、パッカー、メルセデスベンツ、ボルボ製が走っているとのこと。