[79] FUJICA SINGLE 8 REFLEX MOVIE CAMERA

[79] FUJICA SINGLE 8 REFLEX MOVIE CAMERA

RAPID 8の生産を急遽とりやめた富士フイルムは、新しいシステムを開発すべく取り組みを開始した。 あらたな開発に伴い、カメラならびにフイルムの機能、品質をさらにどこまで高められるかとのチャレンジを前提として、最高の商品システムとなることを掲げて研究開発に着手した。

カメラの機能は、RAPID 8で開発した考え方を踏まえ、画面サイズは、コダックの規格を採用し、5.36×4.01㎜としたが、SUPER 8の商品を上回るフイルム開発とカメラ開発に重点を置いた。 特に、フイルム開発面では、品質のレベルアップ、映像のシャープネスを向上するための乳剤の開発ならびに生産体制の確立を図った。

そして、1965年4月にFUJICA Single8 P-1のほかに、映写機2機種、カラー反転フイルム(ASA25)とモノクロフイルム(ASA50ならびに200)を発売した。

FUJICA Single 8 P-1は、「私にも写せます!」のコマーシャルの効果もあり、急速にファミリー市場に浸透し、数々の表彰を受け、特に、富士フイルム初の1965年度のグッドデザインに輝いたこともあり、倉庫に積み上がったRAPID-8をGOLD塗装した店頭ディスプレイを制作し、積極的に取り組み販売をしていただいたお店の店頭を飾り、さらなるSingle8市場の拡大意欲を強力に推し進めた。

以降、ズーム化、高機能化、さらには、1970年代にはいり、パルスシンクシステムを開発して、映像と音声との同調を図った。 さらに、16㎜映画撮影機で使用されるCマウントを採用したレンズ交換式10倍ズームの高画質レンズを開発し、最高機種のZC1000の商品化も図った。 また、業務用途向けには、メモモーション撮影が出来るZ-2A INDUSTRIAL、ZR-400 MEMOMOTIONシステムも開発した。 こうして、Single 8システムの幅の広さをにも積極的に図り、Single 8システムによる小型映画市場を牽引していった。

 

FUJICA Single8 P-1

“マガジン ポン!” “わたしにも写せます!”というSingle8のコンセプトをベースに展開した最初のSingle8撮影機として、1965年4月に発売された。

 

FUJICA Single8 P-100

FUJICA Single8 P-1をベースにして、付属品を取り付けたり、グリップ底部にハンドストラップを取り付けるネジ穴を装備したりなど、一部改良を加えるとともに、別売りのリワインダーを取り付けることによって、手動での巻戻しを可能にして、1967年9月に発売された。

なお、発売と併せて、リワインダー、ストラップのほかに、テレコンバータ(23mm)、クローズアップレンズ、近接撮影用アタッチメントレンズ、NDフイルター、フェーダー、ライトアダプター、タイトラー、などなどの付属品を充実させた。

 

FUJICA Single8 P-105

FUJICA Single8 P-100と機能的には変わらず、前面にBlack PANELを貼りつけて、1967年9月に発売された。

 

FUJICA Single8 Spring-Motor

電動式ではなく、FUJICA8 T-3、FUJICA8 Z-4でとりいれられたゼンマイ式でのフイルム給送を考えて試作した.

 

FUJICA Single8 Z-1

3倍Zoomレンズを採用した最初のSingle8撮影機として、1965年10月に発売された。 FUJICA Single8 Zシリーズのデザインの原型ともいわれる機種である。

 

FUJICA Single8 Z-2

FUJICA Single8 Z-1をベースにして、4倍Zoomレンズを装着し、側面に巻戻しクランクを搭載し、Single8システムの特徴でもあるオーバーラップ撮影を可能にして、1966年10月に発売された。

 

FUJICA Single8 Z-2A INDUSTRIAL

FUJICA Single8 Z-2をベースにして、改良をし、企業における作業分析、動作分析など、Single8システムを広範囲に利用することを狙いにして、映写機、メモモーションタイマー、とともにセットにして、1968年12月に発売された。

 

FUJICA Single8 ZR-400 MEMOMOTION

FUJICA Single8 Z-2A INDUSTRIALをベースにして、カメラをFUJICA Single8 Z-400に変更するとともに、FUJICA ZR-400のMEMOMOTION撮影に向いた改造を加え、セットとして、1971年9月に発売された。

 

FUJICA Single8 P-300

FUJICA Single8 P-100を基本にして、2.6倍Zoomレンズを搭載し、別売りのリワインダーを取り付けることによって、手動での巻戻しを可能にして、1967年7月に発売された。

 

FUJICA Single8 Z-600

6倍Zoomレンズを搭載するとともに、FUJICA Single8システムで、初めて、露出計をTTL測光を採用して、1968年10月に発売された。

 

FUJICA Single8 C-100

FUJICA Single8 P-1の手軽さを継承し、さらに普及させることを目的にして、ボデイデザインを一新するとともにプラスチック製外装に変更して、軽量化をはかり、1970年4月に発売された。

なお、発売と合わせ、ブラックボデイのほかに、レッド、ブルー、グレイ、アイボリーの5色をそろえた。

 

FUJICA Single8 C-100 Red

FUJICA Single8 C-100を基本にして、ボデイをRed仕様にして、1970年4月に発売された。

 

FUJICA Single8 C-100 Blue

FUJICA Single8 C-100を基本にして、ボデイをBlue仕様にして、1970年4月に発売された。

 

FUJICA Single8 C-100 Grey

FUJICA Single8 C-100を基本にして、ボデイをGrey仕様にして、1970年4月に発売された。

 

FUJICA Single8 C-100 Ivory

FUJICA Single8 C-100を基本にして、ボデイをIvory仕様にして、1970年4月に発売された。

 

FUJICA Single8 Z-450

4倍電動Zoomレンズを搭載した、FUJICA Single8 Z-2を基本にして、TTL方式AE露出制御機構ならびに、スローモーション撮影が出来る36駒/秒を搭載し、1970年6月に発売された。

シャッター開角度調節機能が搭載され、フェードイン、フェードアウトが可能である。

 

FUJICA Single8 Z-400

FUJICA Single8 Z-450の電動Zoom機能と、TTL方式AE露出制御機構を外し、FUJICA Single8Z-2の後継機種として、1970年6月に発売された。

なお、別売のモーターズームアタッチメントをつけると、電動Zoom式となる。

 

FUJICA Single8 Z-800

レンズ交換はできないが、サーボ式制御TTL露出計、シャッター開角度調整機能付、FUJICA Single8 Zシリーズの最高機種として、8倍EBC FUJINON Zoomレンズ(電動)を搭載して、1971年11月に発売された。

FUJICA Single8シリーズの中では、はじめて、折り畳み式グリップを取り入れとともに、富士フイルムが開発した、パルスシンクシステムを使用することによって、同時録音を可能にした。

ちなみに、フジカパルスシンクキットは61000円、フジカスコップMX-70は、72000円。

 

FUJICA Single8 Z-700

FUJICA Single8Z-800同様、サーボ式制御TTL露出計、シャッター開角度調整機能がついて、7倍EBC FUJINON Zoom レンズ(電動)を搭載して、1972年6月に発売された。

パルスシンクシステム式ではないが、接続したテープレコーダーが作動するスタート同時録音用スイッチを内蔵しており、シャッターONとともに、同時録音が可能である。

 

FUJICA Single8 New P-300

FUJICA Single8 P-300をベースにして、一部改良し、オートのみであった露出計を+1絞りのAE補正が出来るようにして、1972年7月に発売された。

また、FUJICA Single8 P-100同様に、リワインダー、フェーダー、タイトラー、クローズアップレンズなどなどの付属品を準備した。

 

FUJICA Single8 P-400

FUJICA Single8 New P-300の開発と合わせ、4倍Zoomレンズを搭載するとともに、TTL測光の露出計を組み込み、1972年7月に発売された。

また、FUJICA Single8 New P-300同様に、リワインダー、フェーダー、タイトラー、クローズアップレンズなどなどの付属品を準備した。

 

FUJICA Single8 AX-100

FUJICOLOR Single8 用フジクロームRT200フイルムの開発と合わせ、f1.1の明るいレンズと230度の広いシャッター開角度機能を搭載し、1973年3月に発売された。

高感度フイルムの使用と合わせ、従来のf1.8レンズのカメラに比べて、約24倍の超高感度システムを実現した。

 

FUJICA Single8 AX-100 Black

FUJICA Single8 AX-100をベースにして、ブラック仕様を1975年9月に発売された。

 

FUJICA Single Marine 8 AX-100

FUJICA Single8 AX-100の高感度システムの開発に伴い、水中での撮影がしやすくなり、Marine 8 カプセルを付属品として発売するとともに、カメラとカプセルとをセットにして、1973年3月に発売された。

 

FUJICA Single8 ZX-300

3倍Zoomレンズを搭載するとともに、パルス式音声同調機構を付加して、1974年4月に発売された。

 

FUJICA Single8 ZX-250

2.5倍Zoomレンズを搭載し、フェードイン・フェードアウト、オーバーラップなどの高級テクニックが駆使できる普及機として、1975年4月に発売された。

なお、パルスシンクシステムは採用されていないが、テープレコーダーとのスタート同時録音は可能である。

 

FUJICA Single9 ZX-500

5倍Zoomで、ズームレバーの操作で、マクロ撮影が出来るFUJINON MA・Zoomレンズを搭載するとともに、パルスシンクシステムを内蔵して、1975年4月に発売された。

 

FUJICA Single8 Z1000

1972年カメラショーで開発見本が展示され、8㎜カメラとしては、初めての、本格的16㎜カメラ同様の諸機能を備え、16㎜用Cマウント採用を発表され、一躍話題をさらった。

その時に明らかにされたのは、シングル8フイルム使用、FUJINON f1.8 10倍ズームレンズ採用のCマウント交換レッズ、ファインダーは一眼レフ式ピントグラス入脱方式、撮影速度は1・18・54・72駒、同時録音、TTL測光システム内臓ということだけであった。

 

FUJICA Single8 Z1000

1973年カメラショウでも引き続き、開発見本が展示されたが、前年以上の情報開示はなかった。

 

FUJICA Single8 ZC1000

富士フイルムが、FUJICA Single8システムを市場展開して、丁度10年目を記念して、8㎜ファンの夢を実現したレンズ交換式、超高級システム8㎜カメラとして、天体撮影から顕微鏡撮影まで全工学系を網羅し、今まで考えられなかった被写体の撮影まで可能にし、1975年3月に発売された。

 

FUJICA Single8 New ZC1000

最高級モデルのFUJICA Single8 ZC1000をベースに、ズームレバーなどの使いやすさの改善をして、1979年6月に発売された。

なお、各種Cマウントレンズの使用が出来るが、EBC FUJINON 55㎜ f1.8の広角レンズが発売された。

 

FUJICA Single8 PX300 Zoom

マクロ撮影可能な3倍Zoomレンズを搭載し、グリップの着脱も折り畳みも可能な超軽量コンパクトで、リモコン撮影までできる普及機として、1975年10月に発売された。

 

FUJICA Single8 P-2

グリップとボディとが一体化し、超軽量小型機として、1978年9月に発売された。

 

FUJICA Single8 P-2 Silver

FUJICA Single8 P-2のシルバーとブラックとのツートンカラーボデイ仕様で、海外市場向けとして、1978年9月に発売された。

 

FUJICA Single8 P-2 Metaric

FUJICA Single8 P-2のメタリックボディを発売を前提として、試作したが、発売までにはいかなかった。

 

FUJICA Single8 P-2 Zoom

FUJICA Single8 P-2をベースにして、2.6倍のZoomレンズを搭載し、1979年3月に発売された。

なお、ピント合わせは、目測であるが、スナップフォーカスと称して、レンズの被写界深度を考慮し、ズームリングと距離リングとが連動する機能を搭載している。