[13] FUJICA FS ~ FUJICA DATE
FUJICA 35 FS
カメラのコンパクト化が進んだ後に、よりスマートさを狙ったデザインのカメラとして、登場したのが、FUJICA FS である。このカメラは専用ストロボ FUJICOLOR STROBO S との組み合わせセットで、「FUJICA 35 FS 太陽」というキャッチフレーズのもと、昼でも夜でも安心して撮影できることを訴求して、1971年9月に発売された。発売と同時にブラックボディのFUJICA 35 FS ブラックも発売された。
なお、この機種は、しゃれたスマートなデザインのストラップ金具で、当初は登場したものの、そののちに、自然切替という形で、一般的なストラップ金具に変更されたが、ここでは、その機種を「後期型」と表現する。
FUJICA GP
FUJICA 35 FS をベースにして、改良されたのが、FUJICA GP である。シャッター前後のシグナル、フイルム送りの確認窓などが付加され、撮影がよりやりやすくなって、1972年7月に発売された。なお、FUJICA GP ブラックも同時発売ということで、告知されたものの、どういうわけか陽の目を見なかった。
FUJICA GE
35㎜カメラでは、世界で初のフイルムの有無、種類が一目で確認できる裏窓をつけたカメラとして登場したが、これは、フイルムメーカーであったからこそできたのではないかと考える。さらに、各種の安全シグナルで撮影ミスを一掃でき、露光は、セイコー電子プログラムシャッターを装着し、1973年6月に発売された。
FUJICA GER
FUJICA GEをベースにして、距離計連動、セルフタイマーを装備した機種で、35㎜判距離計連動式プログラムEEコンパクトカメラとして、1973年6月に発売された。
なお、この機種は、当初は GER のRの文字を小さくしていたが、後には、自然切替で、GER のR の文字を同じ大きさにしている。ここでは、その機種を「後期型」と表現する。
FUJICA MP
FUJICA GER の海外専用機で、呼称だけが変更されているだけで、機能的な面はすべて、FUJICA GER と全く同じである。富士フイルム製カメラは、同じ機能のカメラでも、ヨーロッパ呼称とアメリカ呼称が、発売されたが、その最初のカメラではないかと考える。
FUJICA GA
FUJICA GE & GER の最低必要機能を搭載し、電子式シャッターカメラでは、初めて2万円を切る超軽量(270g)、お買い得、実用カメラとして、1975年4月に発売された。
FUJICA DATE
プリントに日付がうつるだけではなく、ファインダーにも日付が見える富士フイルム独自の新機構を採用したコンパクトデートカメラとして、1975年10月に発売された。発売と同時にFUJICA DATE ブラックも発売されている。
FUJICA Petit DATE (試作品)
1974年発売されたROLLEI35 の影響を受けて、超小型の前蓋開閉式のULTRA COMPACT カメラを1976年に開発したものの商品化はされなかった。
なお、参考まで、デート機能を組み込んだカメラとしては、手元にある資料によると1974年11月に発売されたCANON DATE MATICと考える。