富士フイルム製カメラのあゆみ 

富士フイルムは1934年に創業14年目にして、「FUJICASIXⅠ型」を発売し、はじめてカメラ事業部門に進出した。

デジタル化への急展開によりフイルムカメラ事業の収束化がすすむ傾向のなかで、写真文化の維持拡大をかかげ、その一環として、今日でも、FUJIFILMブランドのフイルムカメラ事業は継続されている。

富士フイルム製カメラは、個人的な使用カメラとしては、何台か購入していたが、コレクションとして取り組み始めたのは1975年からであるから、40年近く前ということになります。

1975年に富士フイルムから110システムのカメラが発売され、当時、フジカラー総合ラボグループの取り纏めをしているフジカラー販売にも、正規の販売商社の一員として認められ、取り扱いを開始した。

カメラ販売をした経験のない会社が展開するのだから、大変な苦労を強いられたのも事実である。発売当初は、新しいカメラのシステムとしての魅力があったことと、取引先のフジカラー総合ラボグループ各社の絶大な協力もあり、順調にスタートが切れた。

110システム人気が一巡すると、本社担当部門も全国一律の企画を立てることも難しく、壁にぶち当たってしまった。そこで、各営業所ごとに目標数字達成のための市場にあった施策を・・との指示がだされた。名古屋営業所在勤中でもあり、地元の大手中古カメラ店社長と話し合い、タンスに眠っているカメラを引き取っての下取りセールを開始することになった。数字は好調に推移するものの、下取ったカメラは、当時、中古市場であまり歓迎されない富士フイルム製カメラ FUJICA が多く、その中古カメラ店社長から引き取りを拒否された。

下取りセールの費用の原資にと思って企画した方としては、予想外の出来事に愕然としたが、その苦肉の対応策として、個人的に引き取ることにしたのが、富士フイルム製カメラのコレクションのキッカケである。

今は廃刊になってしまった、旭日ソノラマ クラシックカメラ専科の編集長が、旭川まで突然来られ、富士フイルム製カメラの特集を組むので協力願いたいということで、お引き受けしたものの、原稿執筆期間が約3カ月しかなく、会社から帰ると、資料をひっぱりだしながらの執筆作業に没頭する毎日だった。

1997年12月に、クラシックカメラ専科 44号 「富士写真フイルムのカメラ」が発刊された。短期間で原稿をしあげたことによる不足部分もあるし、その後 発売されたカメラもあるということで、少しずつではあるけれど、手直ししながら、纏めあげていきたいと考えております。