ハートの木

美瑛 四季彩の丘に「ハートの木」がある。

仕事を離れて旭川にもどり、撮影に出かけた時に丁度、太陽の周りにできる丸い虹(暈)に遭遇し、美瑛の中を走り回り、方角的にも「ハートの木」をいれて撮影できるのでは・・とのことで、何とか撮影が出来た。その時は、まだ、リバーサルフイルムでの撮影にドップリと浸かっていたので、露出を変えて数カット撮影し、-2補正したのが、結果は良かったようだ。

それまでは、四季彩の丘にご案内しても、「ハートの木」とは、紹介をしなかったが、この作品を見て、まさしく「ハートの木」と思い、以来、「ハートの木」と紹介するようにした。ただ、この撮影をしようとすると、四季彩の丘の横の道路の下の方からの撮影が最高のポイントであり、どうしても、道路の端に車を停めてということに・・。

2006年、ハートの木の桜が満開したあと、いつしか片側の枝が切り落とされた。道路端に停める車が増えてクレームとなったのか、他に意図があったのか、その理由は分からないままであったが、心の中では、「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」という故事もあるのに・・と、心の中では、何度となく呟いたものです。

それからは、あえて、「ハートの木」と紹介するのはやめたものの、霧氷がついて真っ白になった「ハートの木」をみて、何か、見方を変えたりすれば、ハートの形にみえないこともないとのことで、四季彩の丘に立ち寄るごとに、撮影を続けた。途中で、接ぎ木をしたりした姿も見たが、いつになったら、「ハートの木」といえるのだろうかと・・との気持ちで待っていたものだ。

園内を走る「トラクターバス 色彩ノロッコ号」のドライバーさんは、お客さんには、「無理をしてみれば、ハートの形に、見えませんか?」と案内をされて、笑いをさそっておりましたが、色彩の丘でも、「ハートの木」を意識しているんだとのことが良く分かりました。

この春先に開催した作品展の折、NHKの担当の方から、桜の木で写真になるような場所は・・?と、訊かれ、その一つとして、「ハートの木」も エゾヤマザクラの木だとのお話をしたら、今度は、その方から、「ハートの木」が満開になったとのことで取材に行ってきます」との連絡があり、丁度、美瑛に行く予定であったので立ち寄ってみた。はたして、どの位置から、撮影したのかと、思いながら、入口を入って真っ正面から見ると、まさしく、スマートではあるものの、「ハート」の形をしていました。