[1] FUJICASIXⅠ型(4)

5 FUJICASIX IC &ICS

FUJICASIXⅠ型の輸出専用として開発され、SEIKOSHA-RAPIDシャッターに変更され1948年8月に発売された。

もちろん、シンクロ接点付のFUJICASIX ICS も発売された。

この輸出専用FUJICASIX IC ならびにICSは、裏ぶたをカメラ内部に、Made in Occupied Japan※のシールが貼られており、革ケースにも同様に刻印されている。

GHQによるカメラの国内販売制限が発表されたが、折からの海外からの日本製カメラの引き合いが活発化されたこともあり、輸出専用のFUJICASIX ICならびにFUJICASIX ICSのみならず、他のFUJICASIXⅠ型の大半が輸出用に振り向けられた。

Made in Occupied Japanとは、日本が第二次世界大戦で敗戦し、その後アメリカの占領下となり、1947年~1952年の間、日本から輸出する物には、Made in Japanではなく、Made in Occupied Japan(占領下の日本製)を表示することが義務付けられた。しかしながら、FUJICASIX ICと、FUJICASIX ICS以外には、全くといってよいくらい表示されておらず、黙認されていたのではないかと推測する。