[7] FUJICAFLEX AUTOMAT(3)

FUJICAFLEX 製品化には特許と実用新案満載

FUJICAFLEX AUTOMAT は、国産二眼レフカメラの最高峰をねらって開発してきた。その理由は、当時の国産カメラはカメラ工業の歴史の浅さもあり、なるべく冒険は避けて模倣というイージーなみちをあゆんでいったといっても過言ではない時代であった。もちろん、二眼レフカメラも同じで、ROLLEI FLEX 追随の多い中にあったのも事実である。そのようななかで、FUJICAFLEX AUTOMATは、あえて、独創的なデザインと機構満載のカメラであった。

その機構満載の元は、開発に伴ってつくりあげた「4つの特許」と「3つの実用新案登録」である。一台のカメラにこれだけの特許・実用新案登録申請をしながら開発したカメラも当時ではめずらしいものがあったのではなかろうか。その特許と実用新案登録の項目は次の通り。

特許① 写真機の焦準及びフイルム巻取り機構の選択作動装置

特許② フイルム及びシャッターセットの巻込み連動装置

特許③ フイルム給送自動停止装置

特許④ 写真機の拡大レンズ開閉装置

実用新案① 二眼レフレックス写真機の前玉回転停止装置

実用新案② 写真機の緊張装置

実用新案③ 写真機に於ける重複撮影防止装置

とのことであるが、これら以外にも、近接撮影時のパララックス強制装置や、シャッター釦の左右交換可能、ピントルーペの大型化

などなど、独創的なアイデア、デザインなどが組み込まれている。