旭川のレンガ工場跡
煉瓦といえば江別といわれますが、かつては、旭川でも煉瓦工場があちこちにあったとのこと。
明治25年頃、台場ヶ原(現在の台場)に石川県から入植した辰口久治郎が開拓しながら煉瓦工場をつくったのが始まりといわれている。
その後、舘脇煉瓦工場(現在の1条通20丁目付近)、石田煉瓦工場(現在の3条通20丁目付近)、吉村煉瓦工場(現在の桜岡・現在煙突だけが残っている)などにでき、上川倉庫群や第七師団の建物をはじめとして、鉄道関連の建物はもちろん、橋梁やトンネルなどに多くの煉瓦が使用された。
最盛期には1カ月で300万個以上のレンガをつくったという話もあり、戦後、需要も激減し工場は閉鎖されて・・・。
今日では、レンガ造りの建物も消え去る一方ですが、旭川市民の意識としても歴史的なものに関心が無いというのか薄いというのか、知らない間に取り壊されていっているのではないでしょうか。
建てるときには、いろいろと思い入れもあり、レンガでの建物ができたのではないかと思いますが、時代とともに老朽化が進みそのまま消えていってしまうのは仕方ないのかもしれませんが、歴史的・文化的資産として、行政がこれは後世に引き継いでいこうという指導性を発揮してもらいたいと思うのは私だけでしょうか。
桜岡のレンガ工場跡の「レンガ造りの煙突」の3Dクラフトフォト作品
レンガは、鉄やカルシウムなどの化合物を含む良質の粘土を主原料とし、砂、水、窯、燃料と輸送というのが不可欠であり、旭川の発展とともに旭川の歴史のひとつとして忘れてはならないものではないでしょうか。
レンガの寸法は歴史とともに変化してきたということですが、現在の日本における標準寸法は 210mm× 100mm× 60mmとのことですが、大別すると、普通の粘土でつくられる普通レンガ(赤レンガ)と、用途に応じていろいろ材質を違えてつくられる「耐火レンガ」の2種類に大別できるとのこと。
「普通レンガ」には、窓、入口、天井などの特殊な場所に使うために規格外の形の「異形レンガ」、釉薬をかけ高温で焼いて装飾性を高めた「テラコッタレンガ」、音や熱の遮断を主目的とした「空洞レンガ」、道路舗装用に使われる「舗道レンガ」などがあるようです。