[15] FLASH FUJICA

 

 

 FUJICA COMPACT 35 が1967年に発売されたあと、大阪万博を前にして、カラー写真化への動きが急ピッチに進み、コンパクトカメラは、ますます多様化、高機能化の道を歩みはじめた。それまでの「明るいレンズで暗いところも撮影できる」から、「カメラとストロボを一緒に持ち歩きさえすれば暗いところでも撮影できる」に変化し、さらに、「カメラとストロボとの一体化」を図ったKONICA C 35 EF (ピッカリコニカ)が発売された。

当初は、カメラの寿命とストロボの寿命が異なり、万一故障したら・・と競争メーカーも躊躇していたものの、ピッカリコニカのコマ―シャルも浸透し、各メーカーが、ストロボ内蔵35㎜コンパクトカメラ市場にこぞって進出を開始した。

ピッカリコニカの前、1968年にKONICA C35ジャーニーコニカ)が発売され、1974年のピッカリコニカの発売となったが、そのあとも、オートフォーカス機能をそなえたKONICA C35AFジャスピンコニカ)が1977年に発売され、この頃は、KONICAのネーミングの上手さとともに宣伝の上手さも加わり、次から次へ新機能が付加されるKONICAにより、市場が牽引されたキライがあった。

 

FLASH FUJICA

 基本的には、FUJICA FSシリーズの延長線上にある機能をベースにして、ストロボを内蔵した、富士フイルム初の電子シャッター式EEコンパクトカメラで、1976年11月に発売された。

 

FLASH FUJICA DATE

 FLASH FUJICA に撮影した日付を写し込める機構を付加したカメラで、FLASH FUJICA と同じ、1976年11月に発売された。なお、ボディは、ブラック仕上げとなっている。

 

FLASH FUJICA Ⅱ

 FLASH FUJICA の改良型で、基本的性能のプログラム電子シャッター、ストロボ内蔵は変わらないが、セルフターマーを外し、細部の手直しをし、普及型として、1978年10月に発売した。

 

FLASH FUJICA S

 ポップアップ式のストロボを組み込み、焦点調節はゾーンフォーカス式、初心者にも使いやすい、海外専用普及型コンパクトカメラとして、1978年11月発売された。

 

FLASH FUJICA ZOOM DATE

 世界で初めて35㎜コンパクトカメラに高性能ズームレンズ(37㎜~55㎜)を装備したプログラム式EEカメラで、1978年11月発売した。焦点調節は目測だが、ファインダーは、採光式ブライトフレームで、レンズのズーミングに連動している。ズームレンズ搭載のために、重量も、大きさも従来のカメラからすると大きく、重くなり、富士フイルムが本格的なズームレンズ搭載の35㎜コンパクトカメラ時代の到来まで、約10年かかって、1988年6月に発売されたFUJI CARDIA 700 DATE 以降となる。

 

FLASH FUJICA AF DATE

 ジャスピンコニカの発売から約1年後、富士フイルムから発売されたオートフォーカスカメラである。暗い場所でも測定できるビームセンサー、ファインダー内オートフォーカス距離指針表示、ファインダー内に日付が見える日付写し込み機構、フイルム感度オートセットなど、画期的な新機構を装備したコンパクトカメラとして、1978年11月に発売された。

 

FLASH FUJICA AF

FLASH FUJICA AF DATE のデート機能を除いた姉妹機で、1978年12月に発売された。

 

FLASH FUJICA AUTO FOCUS

FLASH FUJICA AF の輸出専用機の呼称で、1978年12月、国内発売と同時に発売された。