SMENA 8M(スメハチ)のすべて

現役時代に、「SMENA 8Mに、アグファのフイルムを入れて撮ると、なんともいえない味のある写真が出来る」と言われたことがあります。その時は、「何をして味がある」というんだろうと、無視したことがあります。それは、写真の仕事に従事していたから、より自然に近く、より忠実に、より高品質に・・・ということに、こだわってきたからだと思うからです。

写真業界から離れ、縁あって、「青少年おもカメ倶楽部」をたちあげるのに尽力された高校の先生との出会いでした。旭川市内の高校4校の高校生が中心となって、トイカメラで撮影し、その日のうちに切ったり貼ったりして作品をつくり、飾り、人気投票をして表彰式までを1日でやってしまおうという「青少年おもカメ倶楽部」を発足したばかりで、写真業界にいた経験を生かし、裏方として手伝ってほしいとの依頼で、お手伝いを始めました。はじめのうちは、どうも、これは、「写真とはいえない代物」としかいえないないのではないかとの葛藤もありました。

でも、50人超のメンバーのいるサークルが、ワイワイガヤガヤと写真の話題で盛り上がっているのをみるうちに、トイカメラで撮った写真も写真のジャンルのひとつだということに気がつきました。そして、そこで、「SMENA 8M」とであうことになりました。何はともあれ、使ってみないと何も言えないということで、メンバーがもっている「SMENA 8M」を借りての撮影。驚いたのは、絞りこんだら、あまりにもシャープに写ることでした。

そこで、ムラムラと来たのは、探究心というか蒐集欲。何しろ1970年から1995年までの間、つくり続けられたカメラですから・・・。不思議不思議なことが沢山あるのではないかと、資料あつめをするものの、分からないことづくめ。富士フイルム製カメラ蒐集の時も同じでしたが、資料がないから、系統立てて調べてみたい・・と言う気持ちが全く今回も同じ、懇意にしていたカメラコレクターの仲間にメールをしてみたら、あっという間に10数台の「SMENA 8M」が手元に・・。

「SMENA 8M」について、クラシックカメラ専科誌に寄稿しましたが、その後にも、現物と資料が・・ということで、順次紹介をしていきます。