ホップ栽培園
ホップ(学名:Humulus lupulus)はアサ科のつる性多年草。雌雄異株。和名はセイヨウカラハナソウ(西洋唐花草)。
雌株には「毬花」と呼ばれる松かさに似た花のようなもの(花ではない)をつけ、この毬花がビールが原料の一つで、苦味、香り、泡に重要であり、また雑菌の繁殖を抑え、ビールの保存性を高める働きがある。
世界的にホップの生産地は緯度で35~55度の間に位置しているが、日本では東北地方以北の気候の冷涼な所で栽培されている。 しかし、現在ビールの原料として使用されているホップの多くは、ドイツ、チェコなどから輸入されたものが用いられている。ビールの主原料である麦芽は、大麦を水に浸して発芽させたもので、大麦は主に二条大麦(別名:ビール麦、ビール大麦)が用いられ、二条大麦は日本国内では、各地で栽培されていますが、現在使われている麦芽の大部分は、オーストラリアやカナダをはじめ、ドイツ、イギリス等欧州各国などから輸入された麦芽が、品質や価格面で優れているとの理由から用いられています。
北海道のホップ栽培の始まりは1872年(明治5)、開拓使のお雇い外国人トーマス・アンチセルが道内の地質など調査時に、現在の岩内町で野生ホップを発見。彼は日本でも将来ビール産業が盛んになるという予見のもと、開拓使にホップ栽培を建言したのが始まりと言われている。
1923年(大正12)におこなった上富良野村などでの試作の結果で、気候・風土・土質・生育状況、さらに収量・品質など総合して上富良野村が最も優れている事が判明。1925年に当時の、大日本麦酒株式会社の重役が視察した際、地形がドイツの産地に似ている事などから最適地と決定、直営ホップ園の開設、さらに契約栽培の計画が進められた。 ということで、上富良野町では、ホップの栽培が積極的に行われるとともに、上富良野町、中富良野町ではビール麦の栽培も、サッポロビールとの協働契約栽培という形で、積極的に行われている。
同じ町内で、ホップ、ビール麦の両方を栽培しているのは日本ではおそらく唯一、世界的にも大変稀なことで、この地の利を活かし、上富良野産、協働契約栽培原料だけを使用した限定醸造ビール「まるごとかみふらの」を上富良野町内だけで販売している(毎年6月発売)。
また、収穫したての富良野産ホップを生のまま使用した、今だけのサッポロクラシック 富良野VINTAGEを毎年10月に発売(限定)している。