[47] FUJICA HALF シリーズ

1067年10月に発売されたFUJICA COMPACT 35のボデイデザインの原型ともいえるFUJICA HALFがその約4年前の1963年11月に発売された。 というよりも、FUJICA HALFのコンパクト性を35㎜フルサイズで表現したという方が妥当かもしれない。

 1959年にオリンパスペンが発売されて、一気にハーフサイズの市場が拡がり、カメラが比較的小型で携帯にも便利で、フルサイズに比べて2倍の撮影枚数が得られることから、新たな需要を開拓し、サブカメラとしての愛用者が増加していき、1964年には、ハーフサイズカメラがフルサイズカメラのレンズシャッターカメラ生産台数を上まわるにいたった。

 富士フイルムも、この市場の勢いを無視することはできず、ハーフサイズカメラ市場に参入したが、ハーフサイズカメラ全盛期近くでの発売ということも否めず、遅れを取った形であったといっても過言ではない。

しかしながら、このコンパクトなサイズで、35㎜フルサイズでどこまで追求できるかと研究した結果が、前述した FUJICA COMPACT 35 に結び付いたと考える。

 FUJICA mini

FUJICA HALF の試作機として、1962年につくられたようだが、mini といえるまでの大きさとは考がえられないということだったようだ。

 

FUJICA HALF 初期型

1963年に、FUJICA HALF 参入にむけての、知名度アップを狙い、プロカメラマン、カメラ雑誌などのテスト撮影用として、市場に出された製品である。

プレートが安っぽさを感じるとの評価もあったようだ。

 

FUJICA HALF 前期型

1963年11月に、フジフイルムが発売した最初の ハーフサイズカメラ

 

FUJICA HALF 後期型

プレートの高級感を持たせようとエンボス加工にするとともに、ファインダー後ろ側にある、感度切替つまみを金属製から、黒いプラスチック製に切り替え、自然切替形式で発売された。

 

FUJICA DRIVE 初期型

1963年に、ハ―フサイズカメラにスプリング巻上方式を開発し、シャッターを切ると18コマ連続撮影が出来るという、今日のモータードライブ方式のはしりともいえるFUJICA DRIVE を開発し、FUJICA HALF 初期型同様、プロカメラマン、カメラ雑誌などのテスト撮影用として、市場に出された製品である。

 

FUJICA DRIVE 前期型

評判のよくないプレートを変更して、1964年6月に発売された。

 

FUJICA DRIVE 後期型

FUJICA HALF 後期型同様、プレートのエンボス加工にするとともに、ファインダー後ろ側にある、感度切替つまみを金属製から、黒いプラスチック製に切り替え、自然切替形式で発売された。

 

FUJICA MINI

ハ―フサイズ開発段階から使用したFUJICA MINI 。名前にまけないミニサイズの念願のカメラを、FUJIPETのデザインで協力を仰いだ甲南カメラ研究所の西村雅貫所長と東京芸術大学の田中芳郎教授のデザインで開発され、1964年9月に発売された。

当時では、購買層が偏りすぎたためか、売れ行きは芳しくなく、短命で終わってしまったが、ボディを回しながらおこなうラチェット式フルム巻上方式や、キラキラ輝くボディ、露出調整の目盛りにカラフルな人工ダイヤを使うなどしており、今日のトイカメラファンからは人気がある。

 

NEW FUJICA MINI

FUJICA MINI の基本を踏襲し、海外市場向けにボデイをブラック仕様にして、1965年に発売された。

 

FUJICAHALF 1.9

FUJICA HALF の基本部分は踏襲し、レンズをf1.9の明るいレンズに切替、細かい部分での改良を加え、1965年2月に発売された。

 

FUJI TW-3

ハ―フサイズカメラ市場がなくなって、約20年経過し、スポーツの分解撮影などの威力を発揮する連写機能のカメラ開発の中で復活したハ―フサイズカメラといえる。

レンズダイヤルを180度回転させ、ワイドと望遠を切替える方式を採用。ほかに、超薄型で連写機能をそなえ、TV撮影モードも付加し、ユニークな機能を備え、1985年3月に発売された。