APS-Cサイズ

APS-Cサイズ

現役の時に、かなりの台数のAPSカメラを友人知人はじめ、飲食店の女性の方々にお買い求めいただきました。 先日、そのうちの何人かの方々から、フイルムは売っていないし、デジカメしか使わないし、もし必要なら・・ということで、手元に戻ってきました。

そして、現像済みのAPSフイルムをデジタル化できないかとのお問い合わせをいただきました。

考えてみたら、自分自身でも、かなりのAPSフイルムがあるはずだと思い、チェックしてみたら、16本入るカートリッジアルバムで33冊、528本。 約15年間で撮影しているのだから、3本/月のペースで撮影していたことに。

富士フイルム製カメラコレクターであった当方は、新製品が発売されるごとに買い求め、その中から、よりコンパクトで、より高画質のカメラを常に持ち歩くことになった。

そして、その勢いで、NIKONのレンズ交換式 APS一眼レフ PRONEA 600iも、発売と同時に買って使ってみたが、フイルム面積が小さい分だけ、プリントするときの拡大倍率が上がり、粒子も粗くなるし、画質も落ちるし、・・ということで、35㎜フルサイズにはかなわないということで、リバーサルフイルムは、35㎜&2Bフイルムで、撮影していた。

リバーサルフイルムは、必要なものはデジタル変換するとともに、原版は、スライドファイルに入れて、防湿保管庫2基に保管。 かつて撮影した135モノクロならびにカラーネガフイルムは、保管状態が悪く、フイルムは劣化し、褪色してしまったこともあり、このAPSフイルムは・・?と悩んだ挙句、思い切ってデジタル変換。 とはいっても、プリントするにしても、2Lサイズくらいまでだろうという気持ちもあり、とりあえずは我が家にある機材で変換作業をすることに・・。

APSカメラは、常にスナップ用として、持ち歩いていたもので、旅先、散歩がてら、お客様との会食会からはじまって、社内の宴会まで多岐にわたっているから、思い出がしっかりと詰まっていた。

変換作業をしながら、こんなところに行ったのだ とか、名前を思い出せない人がいたり、このお店はまだやっているのかな? このお店の人にはお世話になったな・・などなどと、思い出しながら、写真を通じて懐かしさを感じ、感傷に浸った次第です。

特に、この15年間は、いろいろな機会に恵まれて、海外にも随分行っていたと、改めて思った次第です。 そんな、海外での画像をまとめてみました。

そして、今回、デジタル画像の変換に使用した機材は、CANON FS4000US[スキャナ]と、FUJIFILM AP-1[フォトプレーヤー]にビデオキャプチャーを介してパソコンに接続して画像保存。

適正ネガであれば、処理能力的には、AP-1に、ビデオキャプチャーを介しての方が高いので、こちらを優先的に使用することとなった。

話は変わって、APSとは、アドバンスト・フォト・システム(Advanced Photo System)の略称で、富士フイルム、イーストマンコダック、キヤノン、ミノルタ、ニコンによって共同で開発された新規格の写真システムとして、1996年4月に販売が開始された。

特徴は、撮影データを記録するための磁気層が塗布された24㎜巾のフィルムで、未使用/撮影途中/撮影済み/現像済みの使用状態表示マーク付きドロップイン方式の小型カートリッジで、画像とは別に磁気での情報保存(日付・時間、プリントサイズ・枚数指定、コメントなど)を記録が出来るシステムが搭載された。

その他利点としては、従来のカメラより小型化が出来るという点や、フィルムの装填が容易で、且つ途中でのフィルム取出し交換が可能で失敗が少なくなる点であった。

現像に出すと、従来のようにネガシートで返って来ず、インデックスシートとそのフイルムカードリッジが返ってくるという仕組み。

また、フイルム画面は、APS-Cサイズ(23.4mm×16.7mm)とし、サービス版プリントサイズでは、C/H/Pの3サイズを、システムとして、新たに加えられた。

当時デジタルカメラが販売され始めた頃は、そのデジタルカメラの普及に欠かせないパソコン Windows95 の人気から急速に普及し始めていた時期。 そのシェアを奪われないようにするための、写真をもっと簡単に、便利に、楽しくすることを目的に開発された新しい写真システムであり、フォトプレイヤーや、フォトスキャナーなども各メーカーで準備され、現像済みのカートリッジを入れて、テレビでも、パソコンとのドッキングもでき、新たな映像の世界を広げていこうと・・・、 デジタルカメラと共存共栄を図っていく考え方があった。 しかしながら、急激なデジタルカメラの普及に伴い、銀塩フイルムの救世主であるはずの新たな写真システムは、富士フイルムが、2011年7月にフィルムの生産・販売終了を発表、コダックも2011年をもって生産を中止。富士フイルムは在庫分の販売を継続していたが、2012年5月末をもって販売終了した。

そして、今日では、デジタルの世界では、【APS-Cサイズ】という言葉だけが、生き残り、デジタルカメラの固体撮像素子(イメージセンサーとも)のサイズ規格のひとつとして、確固たる地位を占めている。

APS-Cサイズとひとくくりするものの、このサイズはバラバラで、メーカーごとに異なり、同じメーカーでも、機種グループによって異なっている。 この固体撮像素子は、面積を大きくすれば、高額なものになるが、カメラの小型化を図るためには、この撮像素子を小さくしなければ・・ということで、フォーサーズをはじめ、いろいろなサイズのものが出てきた。

一方で、一眼レフカメラでは、同じ画素数なら撮像素子が大型化するほど高感度、広ダイナミックレンジとなり、画質が向上するとともに被写界深度も浅くでき、美しいボケ味が得られることになり、より高画質、高品質の画像が得られるということで、「APS-Cサイズ」主流から、「フルサイズ」相当の撮像素子を搭載した機種が増えてきている。

APS-Cサイズのカメラだと、レンズの焦点距離は、フルサイズに比べて、約1.5倍の望遠となるということはよく、言われるけれど、被写体の情報量をより多く取り入れる「フルサイズ」の撮像素子の面積を比較すると

フルサイズ   : 24.0×36.0mm = 864.00㎟

APS-Cサイズ : 23.6×15.6mm = 368.16㎟

→ 864.00㎟ ÷ 368.16㎟ = 2.36倍ということで、歴然とした差が出てくる。 これは、リバーサルフイルムで撮影していた時と同じことではあるが・・・。

ということで、当方のカメラは、もちろんフルサイズデジタル一眼レフにシフトしてしまいました。