ファーム富田

富良野といえば、「ラベンダー畑」か「北の国から」ということになるが、その「ラベンダー畑」といえば、なんといっても、「ファーム富田」ということでしょう。

香水や化粧品の原料となる天然香料を生産すべく、フランスからラベンダーの種を入手していた香料会社(曽田香料)が、適地を北海道と見定め、札幌や岩内の直営農場でラベンダー栽培を開始し、それを見ていた上富良野の太田晋太郎、岩崎久二男、上田美一というお三方が、香料会社と折衝し、契約栽培が決まり、翌年、さっそく苗が届けられ、地区内の農家二十数名が栽培を開始。

そのうちの1人上田さんにファーム富田の会長(富田忠雄さん)が出会ったのが1953年、それから、香料用としてのラベンダー栽培を開始。ピーク時にはラベンダー栽培農家が250戸以上となったが、1972年からはじまった貿易の自由化にともない、安い香料が輸入され、さらには、価格の安い合成香料の製造技術が進み、今まで製造していたラベンダーオイルの納入価格も急落し、翌1973年には近隣一帯のラベンダー栽培農家は撤収を余儀なくされ、ほぼ「ファーム富田」のみとなった。

1976年国鉄のカレンダーに「ファーム富田」のラベンダー畑の写真が紹介されると、徐々に観光客やカメラマンが訪れるようになり、さらに、その後にドラマ「北の国から」の放送により、ラベンダー畑が観光地として一躍有名になった。