[3] FUJICASIXⅡC型(2)

FUJICASIXⅡCS & ⅡCR 補足

FUJICASIXⅡCS取扱説明書には、FUJICASIXⅡC に就いて として次の通り書かれている。

フジカシックスⅡCには、「セイコーシャラピッド」シャッターの附いたⅡC-S型と、弊社製造の「レクタス」シャッターの附いたⅡC-R型の2種類があります。ⅡC-S型はシャッタースピードが1/500秒までありますので高速撮影に適し、ⅡC-Rは、セルフタイマーが組み込んでありますので、御自身を交えた集合写真にも適しております。シャッター以外は、両種とも全く同じで、堅牢なダイカストボデイ・レンズの解像力を最もよく発揮するヘリコイド直進式で、構図の決めやすい大型ファインダーが附いておりますから、堅牢で使い易くピントの素晴らしい写真が出来るカメラです。

と言うことであるが、市場では、FUJICASIXⅡCS が主力であったのではないだろうか。

富士フイルム製のカメラは、どちらかと言うと、フイルムの需要拡大を目的としてカメラが製造されたきらいがあり、過去の資料が管理されていなく、分からないことだらけである。結局いろいろなところから入手した情報と現物とを照らし合わせながら、点と点とを結びつける作業となり、これも、コレクターとしての楽しみ方のひとつかもしれない。そんななかで、FUJICASIXⅢBなる機種があるとの情報を入手し、10年近くかかって、やっとのことで手に入れたが、そのベースは、FUJICASIXⅡCR であった。

 また、フジカⅡC を発売後、富士フイルムは、週刊朝日、サンデー毎日、週刊読売、週刊サンケイ、アサヒグラフ、毎日グラフ、家庭読売、文芸春秋などの主力雑誌に「一家に一台カメラを」の標語をカメラ普及の宣伝をおこなった。