フジカフレックスオートマット

富士フイルム最初のカメラとして、スプリングカメラ「フジカシックス」を昭和22年に発売し、次々と改良してきた。

戦後、市場にでてきたカメラは、スプリングカメラが主流であったけれど、間もなく二眼レフカメラに人気が集中し、各社から数多くの二眼レフが発売された。国内で発売された二眼レフの機種名は、アルファベットA~Zまでのほとんどを埋め尽くす名前のカメラが発売された。

そのほとんどが、ドイツ製ローライフレックスに追随したもので、独自の機構をもったものはわずかだった。そのなかの一つが昭和29年に発売された「フジカフレックスオートマット」で、独創的なアイデアを設計に盛り込み、二眼レフカメラの最高峰をねらったものである。

研究開発に時間を要したこともあり、「フジカフレックスオートマット」が発売されたころには、市場は35㎜カメラに移行しはじめていたことと、大きく、重たく、高価格であったためか、おしいことに翌年には生産中止された。したがって、今日では、なかなかお目にかかれない、貴重で、希少で、珍品ともいわれる名機となってしまった。