CANONⅡBボデイに、SMENA 8MのT-43レンズを装着して

CANONⅡBボデイに、SMENA 8MのT-43レンズを装着して

久しぶりにカメラのことをテーマにしてみることにしました。

 

「CANONⅡB型」は、「戦後最新型」といわれるCANONの流れをくんだ機種であるが、この機種を通称で「S型」とも言われた。

「戦後最新型」といわれる機種は、約100台が作られたとのことであるが、戦前・戦中のストック部品によって完成させたのではないかといわれている。

軍需産業として、指定を受けていたCANONの前身の精機光学は、山梨県都留郡(現都留市)に疎開したが、戦後、疎開先にあった工作機械などを東京に運搬する手だてがなかった。

横浜に駐留していた米通信隊の指揮官がカメラ好きで、この窮状を聞き、軍用トラックを動員して機械類を目黒の本社工場へと輸送してくれ、精機光学ではその恩情に報いるべく最新型を組み立て贈呈したとのことで、これが、「戦後最新型(S型)」といわれる所以である。

戦後間もない食料難の時代に、米国からさまざまな援助物資が寄せられ、それらの援助物資の見返りとして、カメラは引く手あまたであったという時代である。 国策的にも、金属材料、レンズ材料から、電力、燃料に至るまで優先供給を受けたこともあり、在日駐留軍将兵向けに国内輸出の形で販売されたのが、CANON「戦後最新型」を改良した「SⅡ型」(1946年)ということである。 そして、この年の9月、社名をキヤノンカメラ株式会社に改称している。

そして、さらに、この「SⅡ型」を改良して、1949年に発売されたのが、CANON「ⅡB型」である。「S II型」の後継機種との位置づけから、当初は「S IIb型」として告知されてたが、発売時には、「ⅡB型」とされた。

「ⅡB型」は、ファインダーの視野倍率を任意に変えることが出来る3段変倍一眼式の連動距離計機構が装備され、変倍レバーの操作で0.67倍から1.5倍までの視野像を変化させることができる。

レンズマウントは世界的に通用するライカ規格のLマウントねじ式になった。

また、ボディは途中から精度保持と量産性にすぐれたダイカスト製に変更された。

60数年前に作られたというCANON ⅡB型のボデイを、チョッとしたことから入手することができた。 ボデイを手にすると、おのずと撮影をしてみたいとの衝動に駆られるのは今に始まったことではないが、どうせ撮影するなら・・ということで、旧ソ連製カメラで、トイカメラファンにも喜ばれるSMENA 8MにつけられているT-43レンズを装着して、撮影テストをすることにした。

このT-43レンズは、40mmf4であるが、1952年から発売されたSMENA1から5までのシリーズは単玉レンズを使用していたが、1960年に発売されたSMENA 6以降のカメラからは、T-43レンズがつけられている。

SMENA 8M発売に合わせ、レンズのデザインも大幅に変更され、よりスマートになった。

このT-43レンズはINDUSTER製とのうわさもあるが、絞り込めばシャープネスはかなり良くなるレンズであり、ライカにつけて満足されているという話もあり、今回のテストということになった。

とはいうものの、ほとんどの方はT-43レンズを自分で改造されて使われているようです。

もちろん、国内で改造していただける業者もあるようですが、かなりの投資をせざるを得ないのは否めないようです。

今回、ソビエト製カメラ・レンズを取り扱っている方から、政情不安のウクライナで、Lマウントに改造されたというT-43レンズを何とか入手できたということで、貴重なレンズを譲り受けることができたということは、しあわせなことである

早速テスト撮影をしたが、f11に絞り込んでテスト撮影をしてみたが、申し分ない写真がとれたことに感動した次第です。