雪の美術館Ⅱ

雪の美術館Ⅱ

前回、雪の美術館概要をアップした。

今回は、雪の美術館の中で雪の結晶の形をいろいろなところで表現されているので、まとめてみた。

建物の周り、建物の中に施された「雪の結晶」をデザインした飾り、シャンデリア、ガラスへの彫り物、などなど、さりげなく飾られているのが、素晴らしい。

これらの「雪の結晶」を表現するために、国内で調達できないものは、海外にまで求めたものも多々あると聞く。

そして、なんといっても、クリスタルルームの雪の結晶の映像は圧巻。

北海道大学教授 故中谷宇吉郎さんが厳冬の旭岳に籠り、雪結晶を撮影され、この貴重な資料を散逸させてはいけないと、優佳良織の織元 木内綾さんが雪の美術館を建てようとのことで始まった事業。

貴重な資料をどのように展示していくかとのことで鹿島建設に白羽の矢が・・。

しかしながら、写真のこととなると専門のところに相談しないと・・ということから、縁あって、地元の企業である「フジカラー旭川(のちの北海道フジカラー)」に相談があって、途中、紆余曲折することが多々あったもののお引き受けすることになった。

とはいっても、処理の面、加工の面、施工取付けの面からすると、美術館・博物館で、数多くの実績を上げている「ドイテクニカルフォート」の協力が必要とのことから、連携することになった。

当時、フジカラー旭川に在籍していたこともあり、節目節目では、織元の木内綾さんのところに出向くことがあったが、担当責任者は、ほとんど毎日のように現地に通い詰め、織元の木内綾さんの意向を確認しながら、建設する鹿島建設との調整をくりかえしていた。

今日ではデジタル処理でいろいろな修正加工がやりやすいが、当時は、元資料となる写真原版の劣化、褪色などもあり、色合わせの調整は並大抵のことではなかった。

透過用のフジカラーGカラープリントの耐久性もあり、少なくても、5年に一度はプリントの入替えが必要との結論承諾をえて始まった事業だが、残念ながら、バブルがはじけ経済情勢の悪化などの影響もうけ、存続を危ぶまれたこともあり、いまだに、当時のものが展示された状態となってしまったことは致し方ないことであろう。

そんな厳しい環境を乗り越えて、今日、「アナと雪の女王」効果もあり、来られたお客様に満足していただいていることは何よりのことだと考える。

この「アナと雪の女王」旋風がいつまでも吹き続けてくれることを期待するとともに、祈りたいものである。